肺炎で死亡

6年前のある日、

ずっとそうだったけど最近やけに肩がこるとボヤいていた父だが、

なんだか首にグリグリもできてる気がするという、

何度医者いけといっても身内の言葉には全く重い腰を上げなかった父が

義理の兄が言った「一度医者行っときな」で

あっさりと病院に行った。

 

なんと首の中、食道でも気道でもない空きスペースに

腫瘍が見つかり、左腕の神経をまきこんで少しづつ大きくなっているらしい

ということがわかった。

 

肩が痛いと感じ始めてからここまでの数年でゆで卵くらいにまで成長したらしい。

腫瘍は神経細胞と一体化しているらしくいわゆる浸潤するタイプ、つまり悪性腫瘍ぽいのだが

数年経っているのになぜか転移はしておらず

疑問に思ったお医者さんが更に精密な検体をしてくれて

これが

デスモイド腫瘍だ

ということがわかった。

100万人に1人の珍しい腫瘍らしい。

 

その医師含めその病院にはデスモイドを扱った事がないとの事で

すぐさま県のがんセンターを紹介され

そちらに外来することになった。

 

がんセンターに行くと

先の病院から聞いている筈なのに同じ診察、MRIやら何やら全てやりなおしで、

まぁこれは日本の病院全てのダメなとこなんだけど

そんなことに貴重な時間を費やす。

聞けばここでもデスモイドを扱った事はないらしい。

がんセンターなのに?

放射線治療をしますか?抗がん剤治療をしますか?手術をしますか?と

こちらが聞かれる、

そんなの、何をすべきかが分かんないから困ってるんですよ。

 

手術をやるなら左腕の神経ごと全摘出が必要なので左腕は動かなくなります。

全摘出したくないです。

左腕を温存して可能な限り摘出というのはできないんですか?

出来なくはないですが手術は一回しかできません。

何故ですか?

明確な答えが返ってこない。

重粒子治療という先進医療をやってみたいです。

いいですがそれをやったら放射線治療抗がん剤治療や手術など

従来の治療はできなくなります。

なぜですか?

重粒子をやったあと従来法を実施した治験データがないからです。

そうこうしているうちに痛みの度合いはどんどん酷くなっている

既にデパスもリリカも効かなくなり

モルヒネを日に何度も飲まなくては耐えられなくなってきている。

それでもその医者を頼って定期検査に通う父と母

 

 

たまらず私と妻はアクアラインの向こう、お台場にある

がん研有明病院に話を聞きに行った。

そこには

デスモイドは数百、数え切れないほど扱った。

何度でも手術する。

その度、組織の癒着がはげしくなり難しくなっていくが

どんな泥試合になっても見捨てない。

どんな治療法も希望するなら試してあげる。

そう言ってくれる涙が出るほど頼もしい医者に会えた。

30分話すだけで数万円とられても文句のないセカンドオピニオンだった。

 

 

帰るなり父母に

転院しよう、ちょっと遠いけどすごい病院が見つかった

と伝える。

伝え方が興奮し過ぎたのかもしれない

がんセンターを悪く言いすぎたかもしれない

父母は難色を示した。

通うのに遠いから。。。

がんセンターのお医者さんもがんばってくれてるから。。。

そういう理由で難色を示してしまった。

でもでもデスモイドを扱ったこと無いって言ってるんだよ?

 

 

私から見たらこれまでの2つの病院は誰かが見つけたセオリーを

履行してるだけ、しかも間違って悪性腫瘍用のセオリーを適用しているように見える。

 

 

デスモイドを扱い続けてきた医者が海の向こうにいるのに

デスモイドを一度も見たことがない医者に命を委ねるのか?

 

つまりこうだ

悪性腫瘍の特徴である 浸潤 および 転移 のうち浸潤を示すデスモイドは悪性として扱うべきだろう。

悪性は転移の可能性があるから手術するなら全摘出して「転移の可能性を根絶する必要がある」

一度メスを入れた組織は内部で切った面同士の癒着が進むので「転移可能性を根絶するための全摘出手術」が2度目

以降は非常に困難になる。周りの血管など大事な組織を傷つけ死に至る可能性が高い。

 

この論法、2手目で既に間違っていると思う。

デスモイドは転移しないからデスモイドなのだ。

転移予防の為のセオリーはそんなに意味のあると思えない

他にも理由があるなら言ってほしい

何度言っても何度聞いてもわかりやすい回答は返ってこない、

だんだん苛立ちキレかかった俺を父母がお前お医者さまになんて態度するんだという目で見る。

気が狂いそうだった。

毎晩作戦を考えているうちに眠りに落ちた。

 

 

海外にデスモイド財団という団体を見つけた。

すぐメールをした。

どうやらデスモイドは膝やお腹にできることが多く、

大きくなったら切り、大きくなったら切りで凌いでいる人が多い様子。

これといった効く薬もなく、多くが命の危険とまでは行きにくいので

研究もあまり進んでいないみたい。

父の場合は喉にできた事で放っておくと窒息の危険がある。

そこが大きく違う。

がん研有明病院に聞いたらデスモイド財団のことは知っており、

情報共有もできているとの事だった。

やはり窒息が死因になる事を言われた。

 

 

そのうちこんどは県立大学病院への転院を紹介された

父母はすんなりと受け入れた。

その時もがん研有明病院へ行こうと頼んだが受け入れられなかった。

もうそこまで遠くへ行くなら有明に行く方が近いのに。

何かの恐怖心を作らせてしまったかなぁ。。

どうすればいいんだ。。

 

 

県立大学病院にはデスモイドを扱った経験のある医師が

 

いなかった。

 

やっぱり。

また同じように最初から診察、検査のやり直し。

前やってますよ。念のためばかりですね。

モルヒネの量はどんどん増えている。もう父は通院の時以外

起きていることもできなくなった。もともと無口な父だが

話もほとんどできない状態。

睡眠導入剤が処方された。

腰も痛いといい調べたらヘルニアだったので手術をした。

そんな関係のない手術をしている場合だろうか?

酷い痛みのせいか生活の些細なことでことあるごとに母にあたり

母も「いっそ。。」と言い始めてしまった。

先が見えない不安のせいだ。有明に行きたい。なぜか行きたがらない。。

こちらの負担を気にしている?いやそんなの負担ではないよ

 

 

県立大学病院で手術をすることになった。

左腕温存手術をやってくれるらしい。

2回目移行はどうなのか、はっきり答えてはくれないが

デスモイドは悪性と違うから全摘出がすべてではないという考えを多少

してくれているように聞こえた。

 

 

摘出したデスモイドは握り拳くらいの大きさだった。

これが喉に入っていたんだから痛いだろう。

喉仏が斜め右にずれてしまっていたもんね

少し楽になったね親父

デスモイドは軽石のように思った以上に硬く、

多分メスで切るときはザクザクと音がするんじゃないかな

切りやすそうに見えるけど?

 

しばらくは検査だけが続いた

まぁ切ったんだから転移しないわけだし

切り残しが成長しないか気をつければいいだけ

だけど親父はだいぶ体力がなくなってしまったな

気力も

いろいろ連れていきたい美味しいお店とかあるけど

まぁ昔から誘っても全然来やしなかったから変わりはしないか

 

 

(長文すぎて書き込めなくなってきたので続く)